使い込み返還請求訴訟の仕組み
ここではある家族を例にして、使い込み返還請求の仕組みについて 詳しく解説していきます。

A)原告の返還請求の主張

【ポイント】
基本的には①~③の3つの主張が認められて請求がなりたつ

主張する事実 ①きょうだいが引き出した。

証明

銀行の取引履歴、ここを否認されることも。引き出し方(毎日限度額いっぱい)や、ほかに引き出す者がいない(父は認知症で引き出せない)など状況証拠を挙げる。

主張する事実 ②父にことわりなく勝手に引き出した。

証明

父は当時施設に入っていた。認知症だったという概略でOKカルテ、介護認定記録があるといい)

主張する事実 ③父が死亡し、相続が開始した。

証明

戸籍謄本

B)被告の言い訳

【ポイント】
返還請求に対して様々な言い訳が予想されますが、ここでは「よくある言い訳」を証明の例とともに紹介します。

言い訳の事実 ①引き出していない。

証明

陳述書(父は認知症などでなく自ら銀行に行っていた。父の預金を管理していたのは姉である。)

言い訳の事実 ②父と一緒に銀行に行った。(署名代行しただけ。)

証明

父には、身体的にも精神的にも引き出す能力があった。伝票の欄外の記載など

言い訳の事実 ③父から頼まれておろした。父に渡した。

証明

引き出し金額がその都度適正な額。

委任状

言い訳の事実 ④父から頼まれておろした。父の必要経費に使った。

証明

引き出し金額がその都度適正な額。

委任状

領収証

言い訳の事実 ⑤父から贈与された。

証明

贈与契約書または父の遺言

陳述書(父から贈与された経緯)

C)原告の反論

【ポイント】
言い訳に対しての反論と証明の仕方や用意すべき書類などについて紹介します。

言い訳①に対する
反論する事実
 当時父の預金を管理していたのは被告である。

証明

陳述書(身体的、精神的能力的に父自ら銀行に行ける状況になかった。当時の父の預金の管理状況)

言い訳②に対する
反論する事実
 出金伝票は父でなくきょうだいの筆跡である。

証明

父ときょうだいの筆跡のある資料

言い訳③に対する
反論する事実(パターン①)
 父の生活状況からは過度な引き出しである。

証明

父の介護記録、カルテ

言い訳③に対する
反論する事実(パターン②)
 委任状は父でなくきょうだいの筆跡である。

証明

父ときょうだいの筆跡のある資料

言い訳④に対する
反論する事実
 父の生活状況からは過度な引き出しである。

証明

父の介護記録、カルテ

言い訳④に対する
反論する事実
 委任状は父でなくきょうだいの筆跡である。

証明

父ときょうだいの筆跡のある資料

言い訳④に対する
反論する事実
 父のための経費でない領収証である。

証明

陳述書(父の属性から父のためでない。)

言い訳④に対する
反論する事実
 架空の領収証である。

証明

陳述書(全くほかの者のための関係ない領収証である。)

言い訳⑤に対する
反論する事実
 贈与契約書・遺言は偽造。父に能力がなかった。

証明

父ときょうだいの筆跡のある資料、父の介護記録、カルテ

言い訳⑤に対する
反論する事実
 父に贈与の動機はなかった。

証明

陳述書(父と当時の原告被告の関係)

D)Aを認めた、Bが成り立たないときの被告のさらなる言い訳

更なる言い訳の事実 原告に対し反対債権がある。相殺する。

証明

借用書

更なる言い訳の事実 一部使い込みを認め原告に一部返した。

証明

銀行の送金記録

更なる言い訳の事実 一部使い込みを認め原告に一部返した。

証明

原告の領収証

更なる言い訳の事実 原告が返さないでいいと言った。

証明

原告が債権を免除するとした手紙

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